季節の特集

特集・秋のくらしの森

〜いきいきとした毎日のために〜ご存じですか?「うつ病」のサイン

うつ病は、特別な人がかかる、特別な病気ではありません。そのため、「心の風邪」と呼ばれることもあります。早めに治療すれば悪化を防ぐことができるので、うつ病のサインに気付いたら、医療機関を受診することが大切です。

下図の9つの症状のうち、A、B のどちらかを含めて複数の症状が、2週間以上、ほとんど毎日続いている場合、うつ病の疑いがあります。

※このチェックはあくまで目安であり、しっかりとトレーニングを受けた精神科の医師の診断に代わるものではありません。心や体の状態に不安がある方は、医療機関を受診してください。

うつ病のサイン A 抑うつ気分 憂うつで、ふさぎこんでいる。午後から気持ちが少し上向くケースも多い。B 興味・喜びの喪失これまで好きだった趣味や活動が、どうでもよくなる。何をしても楽しめない。食欲減退(または増加)食欲がなく、何を食べてもおいしくない。反対に食欲が高まるケースもある。不眠(または過眠)よく眠れない。夜中や早朝に目が覚める。反対に過眠になるケースもある。動作が遅い(またはイライラ)動作や話し方が遅くなった。反対に、イライラして落ち着きがないケースもある。疲れやすく気力がない。何もしていないのに疲れる。服を着るといった日常的なことにも時間がかかる。強い罪責感。自分は価値のない人間で、他人に迷惑をかけていると思い込む。思考力・集中力の低下。新聞やテレビを見ても内容が頭に入ってこない。仕事や家事が進まない。自殺への思い。「自分なんかいないほうがいい」「死んだほうがましだ」と考え、自殺を計画。

クリニック選びのアドバイス

うつ病の治療は近年大きく変化し、以前と比べ、安全で副作用が少ない薬が多くなってきました。そのため、あまりトレーニングを受けていない医師が、気軽に抗うつ薬を処方できるようになりました。場合によっては、心療内科を名乗って治療に難渋するなど、トラブルになったケースも多く報告されています。トレーニングを受けた医師の多くは、精神保健指定医です。医師との相性は人それぞれですが、クリニックを探す際には、精神保健指定医を受診するのもよいかもしれません。

監修:杏林大学医学部付属病院医師 植地 貴弘さん